希薄化率 ( きはくかりつ )とは?

希薄化率とは、新株発行による株式の希薄化において、既存の株式がどのくらい価値が下がるかという比率のこと。希釈化率とも呼ばれる。

新株発行によって増加する株式の議決権数を、増加前の発行済株式の議決権総数で割って算出し、パーセンテージで表される。なお、発行済株式には、ストックオプション転換社債ワラント債などの潜在株式を含まずに計算する。東京証券取引所大阪取引所を傘下にもつ日本取引所グループでは、既存株主の保護のために第三者割当増資による株式の希薄化について規制を設けており、希薄化率が300%を超える第三者割当増資を決定した企業は上場廃止となる。また、希薄化率が25%以上の第三者割当増資を行う際は、第三者委員会から同意を得るか、株主総会などで株主の意思を確認する手続きが要求される。ただし、既存株主の利益の侵害するおそれがないときや、資金繰りの急速な悪化により手続きが困難な場合には、例外的に規制の適用が免除されることがある。

株式の希薄化は株価を下落させる要因になるが、財務改善や設備投資を目的とした増資であれば、将来の利益に結びつく可能性がある。そのため、市場の期待感によっては、株価の下落率が希薄化率を下回ることもある。

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