日本長期信用銀行 ( にっぽんちょうきしんようぎんこう )とは?

日本長期信用銀行とは、日本にかつて存在した3行の長期信用銀行のうちの一つ。通称は「長銀」で、英語の「Long-Term Credit Bank of Japan」を略して「LTCB」とも呼ばれた。

1952年に長期信用銀行法の成立を受けて設立され、大企業の設備投資に代表される長期資金を融資することで、戦後日本の高度経済成長を支えた。特に1950年代は、鉄鋼や石炭、電力、海運の「四重点産業」に多くの資金を融資していた。四重点産業以外でも、高度経済成長の中心を担った製造業には多額の長期資金が必要であったため、長銀が融資によって果たした役割は大きかった。

しかし、1980年代以降は企業の資金需要が減少し、また企業の信用力が高くなったため長銀の役割は低下した。従来の産業に代わって不動産、流通、建設といった新興産業への融資が増え、特にバブル期には融資額が拡大されたが、バブル崩壊により多額の不良債権を抱え込むことになった。

1990年代には多額の不良債権により経営が傾き、さらに経営陣粉飾決算を行っていたことが発覚して状況はさらに悪化した。結局、1998年に長銀は国有化され、2000年にはアメリカの企業再生ファンドを中心とする「ニューLTCBパートナーズ」に売却された。同2000年に「新生銀行」に改名し、2004年には普通銀行に転換した。

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