失われた10年 ( うしなわれたじゅうねん )とは?

失われた10年とは、国家や地域の経済が約10年間停滞した時期の総称。開発学においては、1980年代に中南米・アフリカなど発展途上国の開発が停滞したことを意味し、日本では1990年代のバブル崩壊後の不況を克服できず、政治経済改革が停滞したことを指す。急速な景気後退日本銀行による金融引き締めや不良債券問題が発端となり、多くの企業を倒産させて、失業率が高まった。このため、物価はほぼ横ばいないし下降気味の10年間であり、経済成長率は1.6%に留まった。政府はこの景気低迷を打破するため、税投入や国債発行を大規模に行い、積極的な景気刺激を図ったため、1996年に景気はやや回復した。しかし、翌年にはアジア通貨危機や消費税増税等があり、再度日本の経済は失速し始め、デフレに苦しむようになる。その後、21世紀に入るとITバブルなど外需的な要因で景気が徐々に回復し始め、日本での失われた10年は終焉を迎える。

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