金本位制度 ( きんほんいせいど )とは?

金本位制度とは、各国の中央銀行が保管している金と同額の紙幣を発行し、金と紙幣の等価関係が保証されている制度。

通貨一単位に対し、一定量の金が示され、法定平価と呼ばれる。中央銀行は、この法定平価に基づいて金と紙幣を制限無く兌換する必要があり、金の輸出入の自由を保証する必要性もあった。

そもそも、最初に金本位制度を実施したのは産業革命を達成した19世紀のイギリスであった。金1オンス(31.1035グラム)が3ポンド17シリング10ペンス半と定められ、金貨鋳造と兌換紙幣の発行が行われた。1897年には日本でも明治政府が金本位制度を採用し、1914年まで英国のポンドを中心とする金本位制度が続いた。しかし、1929年には世界大恐慌が起こったため、多くの国が金本位制を離脱し、金の保有量とは関係なく通貨を発行する管理通貨制度に移行した。

一方、米国は金本位制を維持したので、他国は輸出を伸ばし輸入を制限ために為替レートを切り下げ、ブロック経済の対立を引き起こし、これが第二次世界大戦の大きな要因となった。1944年には国際通貨基金協定が結ばれ、IMF(国際通貨基金)によって固定相場制が採用された。米ドル基軸通貨として金と並び、国際通貨になったため、金ドル本位制またはブレトンウッズ体制と呼ばれる。

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