ニクソンショック ( )とは?

ニクソンショックとは、1971年8月15日に、アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンの政権が「ドルと金の交換停止」を発表したこと。これにより、世界経済は深刻な衝撃を受けた。ドル・ショックともいわれる。ドルと金の交換停止は、テレビとラジオで全米に向けて新経済政策を電撃的に発表したなかのひとつで、金とドルとの固定比率での交換停止を意味する。この時、他に減税と歳出削減、雇用促進策、価格政策の発動、10%の輸入課徴金の導入などが発表されている。当時の米国は、ベトナム戦争などの影響で財政赤字が拡大し、また、大幅な輸入超過で貿易赤字が大きく膨らんでいた。このような状況での金ドル交換停止は、ドル相場の切り下げを狙ったドル防衛策であり、また、インフレ抑制を目的としている。これにより、1944年から続いたブレトンウッズ通貨体制(金とドルとの交換を前提とした固定為替相場制)は崩壊し、米国を含む主要国が変動為替相場制へ移行するきっかけとなっている。

世界的には、欧州の主要為替市場は1週間閉鎖され、市場再開後も為替相場は混乱した。日本では、円相場の上昇を防ぐべく米ドルの買い支えを行ったが、8月28日には介入を停止し、8月末にはフランスを除く主要国はすべて固定相場制から離脱している。

ただし、ニクソンショックといわれる事柄が他にもあり、1971年7月15日に発表された「ニクソン訪中宣言(ニクソン大統領の中華人民共和国への訪問予告)」も、米国の歴史的にはニクソンショックといわれている。

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