仕入債務回転期間 ( しいれさいむかいてんきかん )とは?
仕入債務回転期間とは、企業の仕入債務が、概算してどれだけの期間残存するかを表す財務指標のこと。仕入債務回転率の逆数である。仕入債務回転期間は仕入総額の金額に影響を受けるので、売上の増減による売上原価の増減なども合わせて分析をすることで、実態をより正確に分析することができる。
仕入債務回転期間は、会計年度末における仕入債務残高を、当該会計年度での仕入総額で割り、年数として求める。ただし、年数では数字が小さくて指標として使いづらいため、出た値に12を掛けて月数や365を掛けて日数として表示することが多い。
仕入債務決済の際、支払猶予が短期間であれば、仕入債務回転期間の数値は下がり、運転資金が増え資金コストが増加するため、企業の資金繰りを圧迫する。また、支払猶予が長いと、仕入債務回転期間の数値は上昇し、資金繰りを改善する。しかし一方で、商品の仕入から代金の支払いまでに時間をかけることになるため、支払条件が悪化、または資金不足のために支払いを延ばしているとも解釈できる。
従来は売上金の回収をできるだけ早く行い、支払いはできるだけ延ばす、つまり仕入債務回転期間を上げることが有利であると考えられてきた。しかし現在は、早く支払いを済ませることで取引先に仕入金額を値引きしてもうほか、総資産を減少させたりすることを重視する企業が増えている。このことから、仕入債務回転期間は下がる傾向にある。