仕入債務回転率 ( しいれさいむかいてんりつ )とは?
仕入債務回転率とは、企業の仕入債務の支払いが、どの程度効率的に行われているかを示す比率のこと。財務分析における効率性分析に用いられる。年間での仕入総額を、会計年度末の仕入債務残高で割って求める。仕入債務回転期間は仕入総額の金額に影響を受けるので、売上の増減による売上原価の増減なども合わせて分析をすることでより実態を正確に分析することができる。
仕入債務回転率が低いほど、商品の仕入から代金の支払いまでに時間をかけているため、支払条件が悪化している、あるいは資金不足のために支払いを延ばしていることが予想でき、仕入債務回転率が高い場合は、資金に余裕があると判断できる。ただし、仕入債務回転率が高い場合は、必要な運転資金が増え資金コストが増加するため、資金繰りが圧迫されていると解釈することもできる。したがって、仕入債務回転率は高ければ良いとも言い切れない。
従来は、売上金の回収は早く行い、支払いはできるだけ延ばし、仕入債務回転率を下げることが有利であると考えられてきた。しかし現在は、早く支払いを済ませることで取引先に仕入金額の値引きしてもらうほか、総資産を減少させることを重視する企業が増えている。このことから、仕入債務回転率は上がる傾向にある。