裁定取引 ( さいていとりひき )とは?
裁定取引とは、ある市場で安価に買った商品を他の流通市場で高値で売り、利ざやを得る取引手法。裁定取引を行う人はアービトラージャーと呼ばれる。
株式市場における裁定取引の例として、日経平均と日経平均先物の連動性を用いて両者の価格差に利用して利ざやを稼ぐ取引が挙げられる。この場合、まず日経平均から理論価格を求める。日経平均先物の価格が理論価格を上回った場合、先物を売り、現物を買う。また、下回った場合には、先物を買い、現物を売る。
金融市場では、金利の低い市場で資金を調達し、金利が高い市場で資金を貸すことで、裁定取引をすることができる。この結果、元々価格や金利の低い市場では需要が拡大し、価格や金利の高い市場では供給が増えるため、市場間の価格差や金利差が減少する。最終的に経済の資源配分が効率的に行われるようになる。
外国為替市場においては、例えば、ニューヨーク市場では1米ドル=101円、ロンドン市場で1米ドル=100円で取引されていた場合に、ロンドンで米ドルを買い、ニューヨークで売却すれば1米ドルあたり1円の利益を得ることができる。
債券から株式に転換できる転換社債を利用した取引もある。転換社債と株式現物の価格が、理論上の価格と乖離している場合、株式現物を購入して、転換社債を空売りすれば、理論上の価格に戻るまでの間に収益を得ることができる。