緊急経済安定化法 ( きんきゅうけいざいあんていかほう )とは?
緊急経済安定化法とは、米政府が大手金融機関の相次ぐ破綻に対して、抜本的な改善を目指す施策として成立させた法律のこと。
柱となる内容は、金融機関からの不良資産を買い取るために、最大7,000億ドルの公的資金を活用することである。
概要としては、まず「金融安定化監視委」は「財務省」を監視し、その状況を「議会」に報告する。同時に財務省は金融危機の原因を調べて、同じく議会へ報告する。そして議会の承認を得ると、財務省は金融機関の不良資産買取りに、最大で7,000億ドルまで支出する。また、財務省は「個人の借り手」に対しても、返済期間の延長など住宅ローンの条件の見直し、預金保険の上限を10万ドルから25万ドルへ引き上げる等の施策を行う。
ちなみに同法案は一度、米下院により否決されたが、その後に修正案が米上院、米下院の両方で可決され、2008年10月3日に成立した。修正案では従来の法案に加えて、個人や企業向けへの減税の拡充や、預金者保護の拡大が盛り込まれた。また、代替エネルギー促進に対する税の優遇なども加えられた。
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