モラトリアム法 ( モラトリアムほう )とは?

モラトリアム法とは、金融機関に対し、中小企業や個人が返済条件の変更を希望した場合、可能な限り応じる義務を課した法律。2009年に成立した。正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」である。

2008年秋のリーマンショックを受け、中小企業や個人の住宅ローンへの金融機関の貸し渋りや貸し剥がしを防止するために制定された。実質的に、中小企業や個人に対し、返済の猶予を大幅に認める法律となっており、モラトリアム法とも呼ばれる。中小企業金融円滑化法で指定された金融機関は、適用状況を定期的に金融庁に届け出る義務がある。

法律の正式名称が示す通り時限立法であり、当初の期限は2011年3月末だった。しかし、法律が失効すると資金繰りが厳しくなる企業が増え、経済に悪影響が出ることが予想されたため、期限の延長が繰り返されている。特に、2011年の東日本大震災の被災地では、期限切れの影響が他の地域よりも深刻になると予想されているため、期限切れへの反発が強い。一方で、期限を延長するたびに金融機関に不良債権が蓄積されるという問題もあることから、中小企業の経営を返済猶予に頼ることなく、いかに健全化するかが模索されている。

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