在庫投資 ( ざいことうし )とは?
在庫投資とは、企業の保有する在庫が一定期間にどれだけ増加したかを表す数量のこと。期間内に在庫が増加すればプラス、減少すればマイナスの在庫投資となる。売れ残って予期せずに在庫が増えた場合も、在庫に投資したとみなすのが特徴である。在庫投資の種類には、企業の保有する原材料在庫投資、製品在庫投資、仕掛かり品在庫投資、流通段階での販売在庫投資がある。
各企業の在庫水準は、次期の予想販売の数量や価格、資金繰りにかかわる短期金利によって決定される。予期しなかった景気後退が起こったときには売れ残りが増加するため、在庫投資はプラスになる。また、景気後退が始まると短期金利が上昇する傾向があることから、企業は意図的な在庫も減らそうと考え、在庫調整を行うため在庫投資はマイナスとなる。在庫調整が落ち着くと、やがて意図した在庫投資が行われ、短期金利の低下や景気予想の好転とともにプラスに転じることとなる。このように在庫投資がプラスからマイナス、マイナスからプラスへと周期的に変動するのが在庫循環である。
在庫投資の増減自体が景気に与える影響も大きく、キチンの波と呼ばれる短い景気変動は在庫投資によって説明されると考えられており、在庫投資は経済動向を見るのに重要なバロメーターとなっている。