トリクルダウン ( )とは?
トリクルダウンとは、富裕層が経済的に豊かになることで、最終的には貧困層も豊かになり、全体に富が行き渡るという理論、または仮説のこと。「Trickle Down」とは、「したたり落ちる」という意味の英語で、富裕層から貧困層へ富がしたたり落ちるとする考え方である。
具体的には、大企業や富裕層を減税により優遇することで、富裕層らの経済活動が活性化され、最終的に貧困層を含む社会全体に富が行き渡るという理論であり、新自由主義政策などにおける根拠とされることがある。しかし、トリクルダウンには、富がいずれ使用されること、富によって充足する欲求に限界があること、という2つの前提が必要であるとされ、実際にはその前提が成り立たないため、トリクルダウンを疑問視する声もある。
米国の第40代大統領であったロナルド・レーガンは、「レーガノミクス」と呼ばれる経済政策においてトリクルダウンを実践したが、景気や失業率は改善したものの、財政赤字を肥大させる結果となり、評価は分かれている。また、その後の米国の社会状況から、トリクルダウンが富裕層と貧困層の格差拡大につながったという指摘もある。