電子記録債権 ( でんしきろくさいけん )とは?

電子記録債権とは、手形や指名債権の問題点を排除した新たな金銭債権のこと。債権の発生や譲渡を電子記録するという新しい形の債権で、手形や指名債権を電子化したものではない。債権の流動化を促進し、事業者の資金調達を円滑化することを目的に、2007年に成立した電子記録債権法にもとづいて電子記録債権制度が創設された。

企業間の取引の決済手段として、手形や指名債権が用いられることがあるが、手形の場合、発行時に印紙税の負担が必要となるほか、受け取った側には手形の紛失や盗難のリスクがある。また、指名債権が譲渡される際には、二重譲渡などの不正リスクが存在する。電子記録債権は、これらの手形や指名債権の問題点に対してメリットがあり、印紙税が不要で紛失や盗難のリスクもなく、発生や譲渡がすべて電子記録されるため、二重譲渡のリスクも排除されている。さらに、手形は分割して譲渡することができないが、電子記録債権であれば、分割して一部のみを譲渡できるといったメリットもある。

電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関としては、全国銀行協会によって設立された「でんさいネット」などがある。

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