人的抗弁 ( じんてきこうべん )とは?

人的抗弁とは、特定の人に対してのみ主張できる抗弁のこと。おもに、手形などの債務者が、特定の請求者との関係を理由として支払いを拒否することをいう。

たとえば、手形金をすでに請求者に支払っているが、記録に残っていない場合、たとえ、再び支払いを要求されたとしても、人的抗弁により拒否することができる。しかし、手形が第三者に譲渡されていた場合、その第三者に対しては人的抗弁を主張できず、支払いを拒否できない。このことを「人的抗弁の切断」と呼ぶ。

人的抗弁の反意語が「物的抗弁」であり、手形の形式に不備があるときや、偽造された手形である場合は、相手が誰であっても関係なく、手形自体が無効であることを理由に支払いを拒否することが可能である。

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