貨幣乗数 ( かへいじょうすう )とは?
貨幣乗数とは、マネーサプライがハイパワードマネー(現金と中央銀行への準備預金の合計)の何倍になるかを表した数字のこと。
2つの計算公式があり、1つは、貨幣乗数=マネーサプライ/ハイパワードマネー=(現金通貨+預金通貨)/(現金通貨+法定準備預金)。
もうひとつの公式は、預金歩留まり率(μ)と法定準備率(β)の数値から計算する方法で、貨幣乗数=1/(1-μ+μβ)。(ただし、0<μ<1、0<β<1)。
預金歩留まり率が大きいほど、預金の金額が大きくなるため、貨幣乗数も大きくなる。逆に、預金歩留まり率が小さいほど、預金の金額が小さくなるため、貨幣乗数も小さくなるといえる。
また、法定準備率が小さいほど、貸し出しにまわせる金額が大きくなるため、貨幣乗数は大きくなる。逆に、法定準備率が大きいほど、貸し出しにまわせる金額が少なくなるため、貨幣乗数は小さくなるといえる。
貨幣乗数は、金融機関が貸出しを通じて新たな預金を生み出し、それがまた新たな貸出しにつながるというような金融機関の信用創造機能により、資金が市中にどれだけ効率的に供給されているかを反映することができる。
関連用語
- マネタリーベース 【monetary base】
- ハイパワードマネー 【high-powered money】
- マネーサプライ 【money supply】
- マネーストック 【通貨保有量】
- 信用創造
- M2
- 預金準備率 【支払準備率】
- M3
- 譲渡性預金 【CD】
- 預金