親子上場 ( おやこじょうじょう )とは?
親子上場とは、親会社と子会社がともに株式市場に上場している状態のこと。上場している企業が、株式の過半数を所有するなどして実質的に支配している子会社や関連会社を上場させることをいう。
親会社にとっては、子会社の株式を公開することで資金を調達できるほか、上場子会社を持つことにより企業価値や存在感を向上できるなどのメリットがある。また、子会社にとっては、独自で資金調達ができることや知名度の向上、従業員のモチベーションを上げられることなどがメリットである。日本では親子上場が企業グループ経営の慣行として根付いており、1980年代から2000年代半ばまでは増加傾向にあった。
しかし、親子上場には親会社の利益のために子会社が不利な取引などを強いられることで、親会社以外の少数株主が不利益を被る可能性があることや、逆に子会社が多額の利益をあげた場合に企業グループ外に利益が流出するといった負の側面もある。また、子会社でも株主総会の決議が必要となることで、機動的な企業グループ経営ができなくなることもデメリットとなっている。そのため近年では、完全子会社化による子会社の上場廃止や、株式をすべて売却して資本関係をなくすことによって、親子上場を解消するケースも増えている。
東京証券取引所では、親子上場を禁止してはいないものの、2007年以降、親子上場は望ましい資本政策ではなく、少数株主への配慮が必要との見解を打ち出している。