産業連関表 ( さんぎょうれんかんひょう )とは?
産業連関表とは、一定地域において、一定期間(通常1年間)に行われたモノやサービスの産業間の取引、産業と家計などの最終消費者との間の取引、地域間の取引を数値化し一覧表にしたもののこと。経済循環の見取り図ともいえる。総務省より公表される産業連関表(総合解説編)を参考に、全都道府県で5年毎に作成、公表されている。それぞれの産業は、すべて他の産業や家計から生産のために必要な原材料や燃料などの財貨・サービスを購入し、これを加工して別の財貨・サービスを生産し、生産物を他の産業や家計に販売しているため、こうした相互依存関係の上に成り立っている各産業の生産活動のようすをまとめたものである。これにより、経済構造の現状分析や、各種施策の経済効果測定、生産構造・需要の予測や経済計画の策定などをすることができる。産業連関表を列(タテ)方向に見ると、表頭の各産業がその製品を生産するのに要した費用の構成(投入)が分かり、生産のために必要な原材料などをどこからいくら買ったか、また、その生産活動によって新たに生み出された価値はいくらかが示されている。このような、生産に必要な原材料等の購入費用を「中間投入」といい、生産によって生み出された価値を「粗付加価値」という。粗付加価値には生産活動に伴って支払われた賃金(雇用者所得)や企業のもうけ(営業余剰)などがある。また、行(ヨコ)方向に見ると、表側の各産業が生産した商品の販路構成(産出)が分かる。この中で、各産業部門へ中間財として販売されるものを「中間需要」といい、中間財とならずに完成品として、消費、投資、県外への移輸出などに使われるものを「最終需要」という。また、産業関連表をもとに、加工することで各種施策、事業の経済効果の測定などの機能分析(産業連関分析)を行うことができ、これを基礎として投入係数表が導かれ、投入係数表をもとに、逆行列係数表を算出することができる。