正味売却価額 ( しょうみばいきゃくかがく )とは?
正味売却価額とは、企業会計において資産の評価額を測る方法のひとつ。資産の売却によって得られると想定される金額から、処分にかかる費用を引いたものを指す。
固定資産の場合は、資産の時価から処分費用見込額を引いた金額を指す。棚卸資産の場合は、売価から見積追加製造原価および見積販売直接経費を引いた金額を指す。既に売買契約がある資産の場合は、契約額から処分費用を引いた額になる。ただし固定資産については、時価が存在するような活発的な取引市場がない場合も多い。
固定資産において時価がない場合には、当該資産について取引知識がある第三者間で通常取引される金額が時価の代わりとして用いられる。例えば不動産は不動産鑑定評価基準に基づく価格、あるいは固定資産税評価額、基準地価、路線価といった、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標が用いられる。
正味売却価額が用いられるのは、帳簿に記載されている資産の評価額が現実の価値を表しているかどうかを確認するためである。棚卸資産の場合、もし正味売却価額が帳簿価額を下回っていた場合、帳簿価額を正味売却価額まで強制的に引き下げることになる。