欧州債務危機 ( おうしゅうさいむきき )とは?

欧州債務危機とは、欧州の統一通貨であるユーロの参加国の債務履行能力が危ぶまれている一連の危機のこと。2009年に発生したギリシャ危機に始まり、イタリアやスペインなどの国家財政危機も明らかになっている。

ギリシャ危機を受けて、EUとIMFは2010年5月にギリシャへ3年間で1100億ユーロの融資を決めた。ただし、融資を継続する条件として財政再建に向けたギリシャの取り組みを四半期ごとにチェックし、常に成果を求めることとしている。2010年の第一回融資はギリシャ国債の償還期限に合わせて行われ、デフォルト(債務不履行)という最悪の事態は免れた。

しかし2011年の第二回融資ではギリシャの財政健全化が遅々として進まないことから、ドイツをはじめユーロ参加国から融資への反対意見も出るなどして、ギリシャのデフォルトの危機が再び高まるなど危機の収束には向かっていない。こうした危機が報じられるたびに為替市場が敏感に反応し、ユーロは他の通貨に対して大きく値下がりを続けている。この欧州債務危機により、別々の経済政策を持つ国が統一通貨を持つことの難しさが露呈された。

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