欧州金融安定ファシリティー ( おうしゅうきんゆうあんていファシリティー )とは?

欧州金融安定ファシリティーとは、ユーロ圏で財政危機に陥った国に支援を行う基金のこと。2009年頃から起きたギリシャ財政危機を受けて、2010年5月に欧州連合(EU)の27の加盟国によって合意され、同年6月に設立された。支援が必要な国に融資するために最大4400億ユーロの欧州金融安定化債(EFSF債)を発行できる。EFSF債は、欧州中央銀行(ECB)への払込資本金の割合に応じてユーロ圏諸国が保証するものとなっている。基金の資金管理業務と運営支援は欧州投資銀行(EIB)が行なっている。

EUは財政危機がほかの加盟国へ波及するのを回避するために、国際通貨基金(IMF)と共同で最大7500億ユーロ規模の救済策を打ち出した。EFSFは、この救済策の中核的な機能を担っている。2011年1月にはアイルランド支援のために初めてのEFSF債が発行され、同年6月にはポルトガル支援のために2回目と3回目のEFSF債が発行された。

2013年には恒久的な危機対応策として欧州安定メカニズム(ESM)が設立され、EFSFの業務を継承する予定となっている。ESMは「欧州版IMF」とも呼ばれる。

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