株式持合い ( かぶしきもちあい )とは?

株式持合いとは、協力関係にある企業間で互いに株式を相互保有すること。短期的な企業の業績や株価ではなく、長期的に株を保有する安定株主としての機能を果たしてきた。さらに企業間の取引を安定させ、敵対的買収などから企業を防衛することができるため、企業の安定的成長に役立つとされた。ドイツや日本で特有に見られるもので、日本では戦後の財閥解体後、1980年代まで株式持合いの比率は高まり続けた。1990年代に入り、外部からの不透明性や非効率性を指摘され始め、いわゆる「持ち株解消」の動きが活発になった。特に、時価会計の導入や不良債権処理のため金融機関による持ち株比率の低下が顕著になり、大量に株が手放された。これは、2000年以降の株価低下の一因とされている。しかし、近年その買収防衛策効果から「株式持ち合い」が再度注目を集めており、持ち合い株の割合が増える傾向にある。以前は金融機関がその中心を担っていたが、現在の株式持ち合いでは事業会社同士で行われる場合が多い。ハイブリット車用の電池開発などで提携をしているトヨタと松下が2007年6月に株式持合いを強化することを発表したことはその一例である。

なお、複数の会社での株式持合いを「三角持ち合い」あるいは「循環的相互保有」と呼ぶ。

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