日中当座貸越 ( にっちゅうとうざかしこし )とは?

日中当座貸越とは、金融機関から予め差入れられた担保の範囲内で行う無利息当座貸越のこと。貸越実行日の終業時までに返済しなくてはらなない。

日本銀行は、日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)における決済の方法として、時点ネット決済と、日本銀行が金融機関からの振替指図を1件ずつ即時に決済する即時グロス決済(RTGS)の2つの方法を行っていたが、2001年1月4日から時点ネット決済を廃止し、即時グロス決済に統一している。

これは、即時グロス決済の方が、金融機関が破たんした場合に、その影響を受けるのが取引相手(支払いを受ける側)の金融機関だけでおさまり、金融システム全体に与える影響(システミックリスク)が小さいというメリットがあるためである。海外との金融取引が増加し、リスク発生時に影響を受ける範囲が国際的に拡大する恐れがあることから、海外の主要各国の中央銀行でも、即時グロス決済を採用している。

この、即時グロス決済の場合、取引ごとに決済を行うため、金融機関は、差額決済に比べて多額の決済資金を用意しなければならず、万が一資金が足りない場合、取引が難しくなってしまう。また、資金の受けと払いのタイミングのずれから生じる一時的な資金負担を軽減するため、日本銀行では、決済資金が不足した金融機関に対して日中当座貸越を行い、一時的に資金を供与する仕組みである。

また、銀行に設置されたプーリング口座を通じ、グループ企業内で資金を融通しあうプーリングでは、銀行の当座日中貸越枠内であれば引き出し翌日に本社からの入金があれば取引ができるようになる。これにより、第三者からの資金調達が抑えられ、また、グループ会社内での資金の動きを常に把握することができて各社の財務状態を把握することもできる。

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