差額関税制度 ( さがくかんぜいせいど )とは?
差額関税制度とは、豚肉の輸入価格が基準価格を下回る場合に、差額を関税として徴収する制度のこと。海外産の安価な豚肉が大量に輸入され、国内産の豚肉が値崩れすることがないよう、国内の養豚農家を保護することが目的。豚肉の輸入が自由化された1971年より導入されている。
豚肉の1キログラムあたりの輸入価格が、国内価格を参考に決められた基準価格よりも低い場合、原則として基準価格に満たない部分が関税として徴収される。そのため、どんなに安い価格で輸入されても基準価格以下で輸入豚肉が流通されることがないほか、安価な豚肉ほど関税の額が高くなる。なお、輸入価格が基準価格を上回る場合は、輸入価格の一律4.3%が関税として課税される。
輸入業者の多くは、安価な肉と高価な肉を組み合わせることで、輸入価格を基準価格に近づけて、安価な肉の関税を合法的に低減する手法をとっている。だが一方で、安価な肉を高く輸入したと偽装申告して、脱税や所得隠しを行う犯罪の摘発も相次いでおり、国内外から制度見直しを求める声が上がっている。
関連用語
- TPP 【環太平洋パートナーシップ協定】
- 関税 【tariff】
- 税関 【customs】
- 輸入
- 自由貿易協定 【FTA】
- WTO 【世界貿易機関】
- セーフガード 【緊急関税措置】
- ダンピング 【不当廉価】
- APEC 【アジア太平洋経済協力会議】
- ウルグアイラウンド