ロスシェアリング ( )とは?

ロスシェアリングとは、経営破たんした銀行を他の銀行に譲渡する際に政府が補助する制度のこと。アメリカでは古くから一般的な制度だったが、日本では2001年に預金保険法改正により導入された。ただし、経営破たん処理の文脈とは関係なく、一般的に負債や損失を分担することを「ロスシェアリング」と呼ぶこともある。

経営破たんした銀行を政府が受け皿銀行に譲渡した後、譲渡された銀行から一定期間内に新たな損失が発生した場合、損失の一部を受け皿銀行に代わって政府が負担する。受け皿銀行にとっては、破たん銀行の資産内容が多少不透明でも、政府の補助があるために譲渡先になるリスクが小さい。また政府にとっても、譲渡交渉を速やかにまとめられるため破たん銀行の資産のさらなる劣化を防げるというメリットがある。

2000年の日本長期信用銀行および日本債券信用銀行の譲渡の際に、ロスシェアリングの導入が強く主張されたが、法改正が追いつかなかったことから導入は見送られた。代わりに、瑕疵担保条項が盛り込まれたが、瑕疵担保条項も、破たん銀行を精算せず譲渡したこと、二次損失対策が施されていたという点では、直後に施行されたロスシェアリング制度と性質は同じであった。

関連用語

索引