コメ先物取引 ( コメさきものとりひき )とは?
コメ先物取引とは、コメを対象とした先物取引のこと。現時点で決めた価格で将来の一定期日にコメを売買する取引のことであり、決済は現物の受け渡しか反対売買で行う。コメの生産者や流通業者にとっては、作柄の出来不出来によって収穫後に価格が下落することがなくなるため、リスクヘッジになるとされる。
日本では、1730年に当時の江戸幕府公認で設立された大阪の堂島米会所において、コメの先物取引が行われるようになった。堂島米会所は世界最古の先物取引市場とされている。その後、1939年に戦時下経済によってコメ先物取引は廃止され、戦後もコメの流通は政府に管理されるようになり、コメ先物取引が復活することはなかった。
2004年にコメの流通が自由化されたことを受けて、2005年にコメ先物取引の試験上場が申請されたが、農協などの反対により実現しなかった。2011年3月に東京穀物商品取引所と関西商品取引所がコメ先物取引の試験上場を再度申請したところ、同年7月に農林水産省により認可され、両取引所で同年8月8日からコメ先物取引が開始された。日本でコメ先物取引が行われるのは72年ぶりとなる。
復活したコメ先物取引は試験上場であり、2年後の本格的な上場を目指している。本上場が認可されるかは今後の取引量に左右される。しかし、コメ先物取引について、国内のコメの6割以上を流通している農協は、コメの価格がマネーゲームに巻き込まれるなどとして反対している。いっぽう、これまで農協がほとんど一方的に決めていたコメの価格が市場の需要で決まるとして歓迎する意見もある。