移転価格税制 ( いてんかかくぜいせい )とは?

移転価格税制とは、企業が海外の子会社との取引を通じて、所得を海外へ移転することを防ぐための税制のこと。海外の子会社との取引価格である「移転価格」が、他企業との通常の取引価格である「独立企業間価格」と異なる場合、通常の価格で取引が行われたものとみなして課税される制度である。日本では1986年に導入された。

本来、国内で納税されるべき所得の海外移転を防ぐもので、国税局の税務調査で移転価格税制に即さない取引があったと認められた場合、申告漏れとして追徴課税が行われる。なお、企業に租税回避の意図があったかどうかに関係なく、結果として所得が海外移転したと判断されれば課税の対象となる。

移転価格税制による追徴課税のリスクを回避するためには、独立企業間価格を適切に算定して、移転価格を設定する必要がある。そこで、あらかじめ価格設定について国税庁の確認を受けることができる事前確認制度が用意されている。

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