特別損益項目 ( とくべつそんえきこうもく )とは?
特別損益項目とは、企業会計において、特別損失や特別利益として計上する項目のこと。具体的には、資産の売却損益や災害による損失、前期損益の修正による損益などが該当する。日本会計基準では、特別損益項目は経常利益や営業利益とは切り離されて計上され、企業の本来の経営活動とは関係ないものとして取り扱われる。
しかし、国際財務報告基準(IFRS)では、特別損益項目を設けることは禁止されていて、損益計算書などに計上することはもちろん、注記することも認められていない。そのため、例えば資産の売却による損失がある場合は、損失が営業費用に計上され、日本会計基準にもとづいた場合に比べて営業利益が少なくなる。また、過年度の損益の修正による損失については、過去にさかのぼって訂正が行われるため、当年度の損益計算書では扱われない。
特別損益項目を設けない企業会計は、より経営責任を明確にするものとなるが、特別損失の中には過去の経営陣による経営失敗を明らかにし、後始末として意識的に計上する損失なども含まれるため、特別損益項目を明示しないことは投資家にとっても不利益であるとの意見もある。