無国籍企業 ( むこくせききぎょう )とは?
無国籍企業とは、多国籍企業のモデルのひとつ。市場を親会社が在籍する母国やひとつの国に限定せず、世界的な視野で事業活動を行なっている。本国親会社と役割と構造が分けられた各国の子会社により、国境を越えたビジネスネットワークを構成している。税金が安いなどの理由があれば、本社を移すことも辞さず、また、世界中のどこに本社があってもビジネスができるという点が特徴となっている。
天然資源による収益の配分が世界的に行なわれるというメリットがあるという一方で、タックスヘイブンを用いて租税回避を行なうなどの問題点も浮上している。1980年の国際連合総会では、多国籍企業の腐敗行為防止を規制する決議が採択された。
経営学者クリストファー・バートレットとスマントラ・ゴシャールは、地球規模での経営効率と競争優位性の追求、現地対応の柔軟性、親会社と子会社による隔たりないイノベーションの共有や組織学習の3つの戦略課題を同時達成できる組織として、無国籍企業を提唱している。