期待インフレ率 ( きたいインフレりつ )とは?

期待インフレ率とは、物価が将来どれくらい変動すると市場が見ているのかを表す指標のこと。ブレークイーブンインフレ率、略してBEI率とも呼ばれる。また、期待インフレ率の「期待」は英語のExpectedを訳した語だが、もともとの意味は市場の「期待」ではなく市場の「予想」のことなので、「予想インフレ率」と呼ばれることも多い。

期待インフレ率を算出する方法としては、普通国債物価連動国債の利回りの差を用いる方法、過去のインフレ率の実績を加重平均する方法、過去のインフレ率のデータからモデルを用いて将来のインフレ率を予測する方法などがある。

一般的に期待インフレ率は現実のインフレ率と連動する上、期待インフレ率が現実のインフレ率に先行して動くため、期待インフレ率は、各国の中央銀行にとって金融政策を決めるための指標になる。そのため、中央銀行は、期待インフレ率の動向を調査して、現実のインフレ率を調整するように金融政策を行う。例えば、期待インフレ率が上昇した時は、インフレを抑えるように金融を引き締める政策を行い、期待インフレ率が下降した時はインフレを促進するように金融を緩和する政策を行うこととなる。

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