抽選償還 ( ちゅうせんしょうかん )とは?

抽選償還とは、債券の発行日から一定期間を据え置いたあと、定期的に一定額を償還する定時償還のひとつ。債権者平等の原則から券番による抽選で一部債券を償還する方法で、当選すると額面で強制的に償還されてしまう。例えば、5年債で1年毎に抽選を行い、抽選に当たった組から償還される債券で、当選結果は、償還日の1ヶ月前までに新聞に公表される。また、企業は抽選償還が行われる4ヶ月前までに、抽選償還を行う事について、新聞などで告知をしなければならないことになっている。

普通社債の抽選償還と、転換社債の抽選償還では発行する側の目的が異なり、普通社債の抽選償還は、債券の市場価格が額面より高い時(市場金利よりも高いクーポンを受け取っている時)に抽選に当ると、投資家は損をすることになるため、債権流動性が悪いためにほとんど発行されていない。一方、転換社債の抽選償還は、企業側からすると株式への転換促進が主な目的となる。抽選償還は、時価が100円を上回っている場合に行われ、100円で償還されるため、それ以下で購入した投資家は問題ないが、100円を超える価格で購入した投資家は損失がでてしまう。

例えば、株価が転換価格を大きく上回った状態になっても、転換社債のまま満期まで持って利息を貰った方が得であれば株に転換されることはないが、抽選し、当選した人には1ヶ月後に額面で償還する旨を通知すると、株に転換した方が得になるので、発行会社にとっては、株価が高い時に確実に転換させることができるメリットと、債券の利率と配当の額次第では利益を増やすメリットが期待できることになる。

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