取得原価 ( しゅとくげんか )とは?

取得原価とは、資産や製品の取得や製造に要した金額のこと。取得原価には資産や製品の取得・製造に直接支出した金額のみではなく、運賃や買入手数料、運送保険料などの付随費用も含められる。時価はそれと対置される概念である。取得原価の長所は、領収書などの証憑書類による検証が可能な信頼性の高い価額という点である。しかし、それは現在の価値を示すものではないため実際の時価と乖離しうる、という短所も持つ。例えば、土地は基本的に取得原価によって計上されるため、老舗企業の土地の簿価は実態とは大きく異なっていることが多い。現在の会計システムは取得原価に基づいた金額によって財務諸表に計上する取得原価主義を取っているが、近年、有価証券の時価評価が義務付けられるなど、時価的要素も加えられるようになってきている。

関連用語

索引