二計算書方式 ( にけいさんしょほうしき )とは?

二計算書方式とは、包括利益計算書の開示方法のひとつ。損益計算書と包括利益計算書を分けて開示する方法のこと。なお、「包括利益計算書」とは、当期純利益純資産の価値の増加分の合計である「包括利益」を計算する財務諸表である。2012年3月期から日本でも、連結財務諸表に限って包括利益計算書を開示することが義務付けられた。

二計算書方式と一計算書方式は、それぞれの企業が選択することができるが、原則として選択した方式を毎期継続して適用する必要がある。国際財務報告基準では二計算書方式と一計算書方式に差異はないが、日本基準の場合は「親会社説」にもとづき、包括利益を計算する際に「少数株主損益調整前当期純利益」から開始する方法を採用しているため、差異が生じる。国際会計基準審議会が2010年に一計算書方式への一本化を求める公開草案を提示したが、日本国内では二計算書方式の存続を求める声が強い。

日本で二計算書方式を採用するメリットは、当期純利益を重視する日本の従来の会計基準の考え方と親和性が高いこと、業績計算書のボトムラインに当期純利益と包括利益の両方が表示されることが挙げられる。デメリットには、国際財務報告基準の考え方とあわないこと、損益計算書のボトムラインと、包括利益計算書のスタートラインがつながらないことが挙げられる。

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