緊急流動性支援 ( きんきゅうりゅうどうせいしえん )とは?
緊急流動性支援とは、ユーロ圏の各国中央銀行が、自国の民間銀行に対して行う緊急融資のこと。資金繰りが悪化し、流動性危機に陥った銀行に対する資金供給手段であり、欧州中央銀行(ECB)の承認のもと実施される。
ユーロ圏の民間銀行は、ECB自体が資金を供給する通常の資金供給オペレーションによって資金を調達するが、担保要件を満たさない銀行はオペレーションに参加できなくなる。このような銀行に対して行われるのがELAであり、各国中央銀行が自らの責任で資金を供給する。金利は通常の資金供給オペレーションと比べて高くなる。なお、ELAの利用の可否や上限額はECBの政策委員会が決定する。また、ELAによる資金供給がユーロ圏の金融安定を脅かす場合には、ECBが運用を制限できる。
経済危機に陥ったギリシャでは、国内の銀行からの預金流出が相次ぎ、ELAの利用が拡大していた。しかし、2015年6月にギリシャ中央銀行が要請していたELAの上限額の引き上げがECBによって拒否されたため、国内銀行が休業し、預金の引き出し額が制限される事態となった。