労働契約申込みみなし制度 ( ろうどうけいやくもうしこみみなしせいど )とは?
労働契約申込みみなし制度とは、企業が違法派遣と認識しながら派遣労働者を受け入れていた場合、その派遣労働者に対して直接雇用の申し込みを行ったとみなす制度のこと。2012年10月に改正された労働者派遣法にもとづき、2015年10月から開始される。
最長3年の期間制限を超えても派遣としての受け入れを続けたり、契約上の雇用形態と実際の扱いが異なるなど、重大な違法派遣が行われていた場合が対象となる。違法状態が生じた時点で、企業が派遣労働者に直接雇用を申し込んだと見なされるため、派遣労働者が直接雇用を受け入れる意思を示しさえすれば、企業との労働契約が成立することになる。企業は違法状態を解消してから1年間は申し込みを撤回できないが、違法派遣を認識しておらず、なおかつ過失もなかった場合は無効となる。
従来の制度では、派遣労働者が違法派遣を指摘しても、企業側は雇い止めをするだけでペナルティーを負うことはなかったが、本制度により企業側は違法派遣の責任を負うことになる。なお、通訳や秘書などの専門26業務では派遣期間の制限が設けられていないため、一般業種を含めて派遣期間を統一しなければ、混乱が生じるとの懸念の声も出ている。