スエズ運河 ( スエズうんが )とは?
スエズ運河とは、エジプト北東部のスエズ地峡にある運河で、地中海と紅海を結んでいる。アジアと欧州を船舶で行き来する際にスエズ運河を通れば、アフリカ大陸を回り込むことなく、最短ルートで往来できる。人工の運河で、大きさは全長193.3km、幅205m、深さ24mとなっている。
原油や穀物などの貿易に使われていて、世界の海上貿易の7%がスエズ運河を利用している。1年間に通航する船舶数は1万5,000隻を超え、通行料収入は年間40億米ドルを上回る。エジプト政府が管轄するスエズ運河庁が運河を管理、運営している。
1959年に、フランス人のフェルナンドレセップが採掘権を得て建設に着手し、10年後の1869年に運河が完成した。レセップが設立したスエズ運河会社は、当初フランスとエジプトが出資しており、1875年にイギリスがエジプトから株を買い上げ筆頭株主となった。その後は、英仏の実質的な支配が続いたが、第二次世界大戦後の1956年にエジプトの当時の大統領、ナセルがスエズ運河の国有化を宣言した。1967年に起きた第三次中東戦争では、エジプトによってスエズ運河が封鎖され、その後1975年に封鎖が解除された。